読書レビュー「嘘みたいな本当の話」「文豪山怪奇譚」

ヤミツキテレビの朗読担当の月子です。

お盆休みに読書でもしようと、先日、市の図書館に行ってきました。
何回もお話しているのですが、実はわたくし、怖い話は苦手(^_^;)

なのに、怪談朗読に関わってから、やはり気になる怖い話。
ということで、今回はこの2冊を借りて読んでみました。

1冊目は「嘘みたいな本当の話 [日本版]ナショナル・ストーリー・プロジェクト」
内田 樹 (編集), 高橋 源一郎 (編集), ほし よりこ (イラスト)

「すべて誰かの身に起きた、実話です。」とカバーの見開きに書かれているように、一般の方から募集した実話で1,500件くらいの応募があったそうです。
その中から内田樹さんと高橋源一郎さんが選んで、本になったものです。

アメリカで一般の方たちから寄稿されたショート・ストーリーのなかから佳作がラジオで朗読されるという「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」の日本版です。

まえがきの中で面白いなと思ったのは、アメリカの投稿はその人のいる場所や職業、年齢などが感じられるのに対し、日本の投稿は「地域や職業がその人の書き方に影響を与えるということがほとんどない」そうです。

日本は均質的な社会で、北から南まで中学生から年配の方まで、老若男女が「ほとんど同一のエクリチュール」を共有しているとのこと。
(「エクリチュール」というのは階層とか職業とか学歴とかの歴史的条件によって制度的に強要されている無意識的な言葉の使い方)

日本人みんなだいたい標準的な日本語の範囲内で言葉を使っているということがこのプロジェクトをやってみてわかったことだそうです。
このような言語状況の国はいまの世界に日本の他に存在しないとまで書かれていました。
すごいぞ!日本って!!とまえがきだけで感激しました(*´∀`*)

投稿は1,000文字以内(短い文だと3行という投稿も)なので、とても読みやすく、あっという間に読めました。
そして何より、内容が面白い。
本の題名のように「嘘みたいな本当の話」ですから、引き込まれます。

募集の時にいくつかのカテゴリーがあり、その中にもちろん「あとからぞっとした話」があります。
25もの話があり、他のカテゴリーよりもダントツで多いです。

ヤミツキテレビで朗読したーい!!と思うようなお話も(書籍化されているので無理なんですが)

「あとからぞっとした話」以外のカテゴリーの中にも不思議なお話がたくさんあります。
「おばあさんの話」の中の【間違えちゃった】というお話が良かった。
20年前の手術のあとに亡くなったおばあさんが、執刀医ではなく、麻酔医の先生の夢に間違えて出て来るという話し。

気になる方は、ぜひお近くの図書館でこの本探して、ぜひ読んでみてください。

2冊目は「文豪山怪奇譚 山の怪談名作選」東 雅夫 (著)

山の怪談を集めた本です。
有名な著者の物語もあり、かなり読み応えあります。
びっしり文字です。

ヤミツキテレビで朗読した怪談の中にも山の中で起きた出来事って多いですが、やはり山というのは異界ということで妖怪などの魑魅魍魎が存在するのではと想像させるんだなと感じます。

宮沢賢治の【河原坊】というお話が収められていますが、意外なことに宮沢賢治は大の山好き、おばけ好き、実際におばけを視る人だったそうです。

がっつり読みたい方にはこの本はおすすめ(私はけっこう睡魔に襲われました・・笑)

文豪山怪奇譚の方は、結構難しい話が多かったので、感想はこの辺までにしておきます笑

 

たまには、怪談の読書も面白いものですね。

それでは、月子でした。

スポンサーリンク