ビックリさせる系のホラー演出がダメな理由

どうも、ヤミツキテレビの闇島です。

ヤミツキテレビという怪談朗読チャンネルで、音響や演出の担当をしています。

さて、みなさんは、ホラー演出でこんなシチュエーションを見たことはありませんか?

うす暗い洋館で、女性が一人廊下を歩いている・・・
外では雷が鳴っていて、時折、稲光であたりが照らされる・・・
女性は慎重に廊下を歩いていると・・・

そこに突然、殺人鬼が窓を割って現れる!!!!!
(爆音のガラスが割れる音と恐怖のBGM!!!!)

きゃーーーーーーーーーーーーーー!!!

その後はご想像におまかせしますが、海外のホラーものじゃよくある演出ですよね。

これは俗に「ジャンプスケア(Jumpscare)」と呼ばれる手法です。
突然の大きな音を出したり、急激な映像の変化で観る人をビックリさせる手法を指します。
長いので以降「ジャンスケ」って書きます。

(そういえばブラクラ《ブラウザクラッシャー》とかでもよく使われた手法ですよね。)

実は闇島・・・この演出はあまり好きではありません。
ヤミツキテレビでも、こういった手法は極力使いません。
(意図せずそうなってしまうときもありますが・・・)

なぜ好まないのか・・・
その理由を書いていきたいと思います。

安直過ぎる

まず、ジャンスケ系の演出は表現としては安直過ぎます。
突然、巨大な風船を割られれば誰でもビックリします。

吊り橋効果みたいなもので、ビックリさせられた時のドキドキを怖さによるものと勘違いしているだけです。
それを恐怖だなんていうのは、恐怖に対する冒涜です。
恐怖とは、もっと身体の中心部にズシンと来るボディーブローのようなものです。

小手先のジャンスケ系演出で「恐怖演出」なんて言っている演出家がいたら呪いのビデオを家に送りつけてやりたいです。

ちなみに闇島は職業柄、いきなり大きな音を鳴らされるのってビックリと言うより、不快感しかありません。
卓越されたホラー演出による不快感は良い不快感ですが、これは悪い不快感でしかないです。(不快感にいいも悪いもあるのかは置いといて)

簡単に人を驚かせて、怖いっぽい演出ができる、このジャンスケ。
安直が故に本当は扱いが難しいんです。
安易に手を出しては行けない演出だと思います。

演出として古い

ぶっちゃけると、このジャンスケ・・・演出としてはもはや古いです。
古い映画の時代(ジェイソンとか、ゾンビものとか)から、バンバン多用されてきましたからね。
最早、ど定番。なんの新鮮味もない。

ですから、最近はジャンスケと思わせておいて、実はなんでもない・・・なんていう「すかしっぺジャンプスケア」が多いです。

ジャンスケは多用すれば多用するほど作品がドンドン陳腐になり、逆に笑えるものになってきます。
(逆にギャグ狙いのホラー作品っていうジャンルなら有り)
あえて、この演出を使うならばそういった「陳腐」であることを理解し効果的に演出したうえで使わなければ最近の視聴者(というか自分)は満足しません。

ジャンスケに頼らず素晴らしいホラーの演出をしていた最近の映画だと、
「イット・フォローズ」という映画があります。
演出面でもものすごく勉強になると思いますので、ぜひ一度見てみてください。

心臓に悪い

ジャンスケ系は、とにかく心臓に悪いです。
よく「心臓が弱い方は見ないでください」って文言ありますが、あれ、大体ジャンスケのせいだと思います。
このため、闇島が老人になった後にホラー作品が見れなくなる危険性があります。
ジャンスケ断固反対。

まとめ

ジャンプスケアがなぜダメなのか。
理由をご理解していただけたでしょうか?

ジャンスケは、簡単な恐怖演出と思われがちです。
ですが、本当はむちゃくちゃ使い所が難しい演出なんです。
それを安易に使う作品は、闇島はあまり好きではないですね。

ホラー演出を考えるときは、ジャンスケを除外して考えるのを心がけてみるのも勉強になると思いますよ!!

以上、闇島でした!

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