「へレディタリー/継承」をホラー演出の観点から感想を語る。

闇島です。

最近、海外のホラーはいよいよもって完成度が高くなっていて、日本のホラーがイマイチ盛り上がらない現状がなかなか寂しい感じはありますが・・・

最近の海外のホラーは本当によく出来てます。
日本特有かと思われたジワジワくる怖さを完璧に取り込んで更に発展させています。

今作へレディタリー/継承はそんな「ジワジワくる怖さ」が盛り込まれています。

さて、感想を書いていこうと思うのですが、物語をイチから考察したり、そういうものはすでに色んなブログで書いてることだと思うし、他のブログ以上の感想を書くことも出来ないと思うので(笑)

ホラー演出マニアとして、ホラー演出について書いていこうかと思います。

 

1・チャーリーの顔面の力が強すぎる

YOUTUBEのPVから抜粋していますが、見てくださいよ

女優さんの名誉のためにいいますが、この映画での彼女の顔は結構色々弄ってると思います。
(頬の凹みとかかなり強調されてると思う)

チャーリーの持つ不気味オーラはとにかく半端ないです。
画像を見てもらったらわかると思いますが・・・
なんなんでしょうね、子供のような大人のような老婆のような・・・
顔の動きが全然子供っぽくないんですよ
可愛らしさが全く無い・・・
でも、目が澄み切ったブルーでとても綺麗で吸い込まれそうになります。

また、顔は弄ってると思いますが、体はそのままなので失礼かもしれませんが・・・
かなりのなで肩なんです。
そして、なぜかものすごい巨乳なんです。

普段はこの袖がボロボロの服着ているんですが、葬儀のときだけぴっちりした服着てますが、おっぱいマジで大きいです。

「美しさ」と「バランスの悪さ」。
この相反する要素が人の心をより不安にさせます。

チャーリーのおかしな言動や行動も相まって「不穏さ」が演出されています。

チャーリーはとある事故で早々に退場してしまいますが、要所要所でチャーリーを仕掛けとして恐怖を演出していきます。
出番は少ないもののとてつもないインパクトを与えるキャラクターだと思います。

 

2:精神が不安定なお母さんがヤバイ

この映画の主人公的立ち位置であるアーリーは、以前から夢遊病だったりトラウマを抱えていることもあり、かなり精神的に脆いですし、神経質な女性です。

夫や、息子、娘、そして祖母から家族であるにかかわらず距離をおいてしまってます。

主人公のはずなのに「このお母さんヤベーんじゃねーの」って視聴者も思いますし、劇中の人間もそう思ってます。とくに旦那さん。

そんな彼女が、怪異の真相に迫っていきますが、オオカミ少年よろしく普段の言動や行動がおかしいこともあり、家族に信頼してもらえません。
本来なら一番安心できるはずの家族と孤立していく・・・その恐怖がたまりません。

あと、この女優さんの驚愕するときの顔がものすごい・・・。

 

3:具体的な怪異は終盤まで出てこないが・・・空気感がすごい

具体的な怪異が出ないというのはよくあるんですが、不穏な空気の作り方や全体的な「神経質さ」の演出がすごいです。
母親は神経質で精神的にも脆弱なので薬を飲んでる描写があります。
息子も過去のトラウマからマリファナに手を出しており精神の安定を薬に頼っています。
そして、精神的に落ち着いた父親ですら後半で精神薬を飲んでいる描写が現れます。

ホラーって肉体もそうなんですが精神との戦いでもあると思うんです。
心の強いやつが最後に生き残ったり重要なことを成し遂げて死んでいくこともあります。
精神的に弱い人達はすぐに死んだりお荷物的な役割だったりしますが・・・
この作品の家族は全員心を病んでいる状態なので、引っ張ってくれるタフガイが全くいません。

頼れる人が居ないという恐怖・・・ジワジワと来ます。

また、要所要所で儀式的なものや、呪いの痕跡などが出てきて、主人公たちは知らないけど何かが起きているという「視聴者」だけが知っているという部分もホラーの要素として効いてます。

へレディタリーはとにかくこの空気感を作るのが本当に丁寧です。
一つ一つの要素に全く無駄が無い。
だからこそ終盤の怪異も一際引き立ちます。

4:BGM、効果音の使い方が上手い。

怪異が現れる予兆や、儀式に関する際には、決まったBGMで場面を盛り上げます。
最後のシーンとか、グロテスクさと荘厳さをあわせた「相反する要素」で人の心をかき乱す。
先程紹介したチャーリーにも通づる部分です。

また、チャーリーはよく「コッ」っと舌を打つクリック音を出します。
このクリック音結構耳に残る音なのですが・・・
チャーリーの死後も時折その音を鳴らすことで、チャーリーの存在感を演出しています。

このへんの効果音の使い方はかなり唸らされました。

いかがだったでしょうか?
ホラー演出の観点からへレディタリーを語ってみましたが、へレディタリーはとにかく綿密に計算され、画面も美しく構成された丁寧な作品だったと思います。
やはりホラーは画面が美しくなければ映えませんね。

それでは、闇島でした。

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